高校サッカー選手権や甲子園に出場する高校生や、ラグビーのトップチーム、バスケの関東大学リーグ一部のチームまで、サッカーにかぎらず数々のチームや団体・企業向けにコミュニケーションセミナーや講座を提供するWACアカデミーを、みなさんはご存知でしょうか? 前向きに積極的に取り組む姿勢を育てる「ポジティブ・シンキング」「ロジカル・シンキング」の両面をバランス良く鍛える同アカデミーのノウハウを取りあげた過去記事を振り返ってみましょう。子どもの成長に本当に役立つコーチングとはなにか? その答えが見えてきます。
【WACアカデミー取材記事まとめ】
あなたの子どもは、あなたの言うことをしっかりと聞いてくれますか? 聞いてくれないことを子どものせいにしていませんか? もしかしたら、あなたの掛け声が間違っているのかもしれません。まずは子どもへの声のかけ方を学びましょう。
試合の前に「相手チームに勝ったことはないけど、大丈夫かなぁ?」「あなたの失敗で負けたりしないでね」「負けないように、がんばって」などと、応援しているつもりでも、ついつい「負けない」などといったネガティブな発言をしてしまっていませんか?
前向きに試合に向かうためには、ポジティブな思いで「勝つぞ」「やるぞ」という気持ちにさせることが大切です。不安を自信に変えてしまう、そんなステキな会話術をご紹介します!
■その2:『怒る』と『叱る』の違い
「もう、何やってんのー!!ヽ(`Д´)ノ」「何度同じことを教えたら、できるようになるんだよ!」など、子どもを怒鳴ったりしていませんか? 自分は叱っているつもりですが、これって本当に子どもに伝わっているのでしょうか? 『怒る』と『叱る』を辞書で調べてみると類語として扱われています。
しかし、コミュニケーションの上では、この2つは大きく違うものなのです。
その違いをしっかり理解して、正しい『叱り方』をマスターしましょう!
■その3:子どもに自分で考えさせる上手な『叱り方』
『叱る』時は、ミスをしたことではなく、ミスを反省しない姿勢、他人のせいにしている姿勢、ミスを起こしたことに気づいていないことなどを指摘します。決してミスをしたという結果について、あれこれ言ってはいけません。
また、「○○君だったらあんなミスはしないのに」や「○○君がシュートしていたら勝てたな~」などと、他の人と比較しては絶対にダメ。特に他の選手がいるところで、比較をしてしまうと、チームワークや信頼関係を崩す原因にもなります。ミスが起きるのはチャレンジした結果と受け止め、チャレンジしたということはほめます。そして、失敗から学び、這い上がって来るのを待ちましょう。
いかがですか? 正しい子どもへの声のかけ方を学んだのなら、次は心を整えることを覚えましょう。物事をポジティブに考えることができれば、成功は自ずとやってきます。本田圭佑や石川遼も実践するポジティブシンキングとは?
なでしこJAPANが女子W杯で優勝した際のインタビューで主将の澤選手は「負ける気がしなかった」と話していました。選手たちはW杯期間中「金メダルを取る!」と日々話していたそうです。『叶えたいことは口にすると叶えられる』と良く聞きますが、なぜ、こうしたポジティブな思い込みが成功に結びつくのでしょう? それは人間の脳のメカニズムに秘密があります。
■その5:"口ぐせ"が子どもの未来を変える!
「PKは苦手だ・・・」と公言していると、本当に苦手になってしまい、PKを外すことは当たり前のことのように思えてきてしまいます。これでは、大切な試合でPKを決めることはできないでしょう。脳の大部分は食欲などの本能と、感情や快楽中枢などを制御する潜在意識が占めているそうです。潜在意識には人格はなく、心ではなくメカニズムで機械的に機能するもの。前向きな目標に向かっては成功のメカニズムが作用し、ネガティブな目標に対しては失敗のメカニズムが作用します。口ぐせを変えることで、考え方や物事へのアプローチの仕方が変わってきます。過去の口ぐせが今の自分であり、今の口ぐせが未来の自分を作るのです
これでポジティブシンキングを理解していただけたでしょうか? あなたが投げかける言葉や行動が子どもたちの成長に直結するという自覚を持って、彼らに接しましょう。さて、次は自ら考えて成長する子どもの育て方を教えます。「こうしなさい、ああしなさい」と頭ごなしに声をかけても子どもは成長しないことは、先にお伝えしたとおりです。自ら考えて答えを見つけ出すことで子どもははじめて成長します。そのためには、褒めて自主性を伸ばす指導法が有効です。
指導者が大声で怒鳴り散らすよりも、チーム1人1人が考えて自主的に解決に取り組むほうが何倍も効率が良く、本人への定着率も高くなります。やらされるよりも、自分の意志で取り組むほうが得るものが大きいのは当然のことです。しかし……言うは易く、行うは難し。やる気のない人間に、やる気を出させることがどれだけ大変なことか、練習をサボってばかりいる人間に、真面目に取り組ませることがどれだけ大変なことか、
チームワークを乱す人間に、協調性を持たせることがどれだけ大変なことか、ネガティブな人間の考え方を、ポジティブに転換させることがどれだけ大変なことか。人に何かを教えようとした経験があるなら、痛いほど分かるのではないでしょうか。
■その7:"褒めて伸びる"秘密は脳にある
元サッカー日本代表監督の岡田武史氏は、文部科学省が推進する『最強チームの作り方』プロジェクトで講師を務めています。同氏はプロジェクトの参加チームであるハンドボール日本代表の選手たちを前に、次のような話をしていました。
「目標は、常にそれを意識すること。それを声に出して他人に言っちゃうこと。そうすることで後に引けなくなる。“ベスト4に行きます”と言うだけで本当に行けるのなら簡単だけど、そうはいかない。それを達成するために、何をすればいいのか。実際に選手ができることは3つしかない。日ごろのコンディションを管理すること、集中した素晴らしい練習をすること、試合でベストを尽くすこと。これをいい加減にしながらベスト4行きますなんて冗談じゃないと、僕は選手にいつも言っていました。目標を設定して、それをみんなが本気で目指したとき、チームは変わります」
さて、これであなたも子どもへの声のかけ方はバッチリです。あとは、今回学んだことをあなたが実践して、子どもの成長を手助けしてあげるだけ。最後に、下記の『ごはんポイント』の記事も読んで、栄養管理にも気を使える子どもに育てましょう。
<<おまけ>>
お父さんお母さんに質問です。昨日の晩ご飯のメニューはなんでしたか? 毎日食べているはずの食事ですが、あまり意識せずに食事をとっていると一日前に何を食べたのかさえ思い出せないことがあります。「食育」が話題になり、サッカーキッズを子どもに持つお母さんたちは栄養価やエネルギーの高い食物、消化の良い食材に気をつけているようですが、カロリー計算までは難しい! というのが本音ではないでしょうか? 子どもたちだけでもきちんと自分の身体が管理できる『ごはんポイント』をつかって、自分たちで栄養管理を行える子どもを育てましょう。
ごはんポイントが炭水化物を意識することで食事のバランス、栄養のバランスを整えていくものだと言うことは前回お話した通りです。これと同じように、ごはんポイントを意識して生活をしていると体重や規則正しい食事を心がけるようになり、生活のリズムが整ってくるのです。
■書籍紹介:授業時間 100%活用 スポーツ脳はこう鍛えろ!
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