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とにかくじっと待つ!子どものために今からあなたにできること

公開:2015年8月25日 更新:2021年1月27日

キーワード:サカイクキャンプ声掛け成長

前回記事『案ずるより産むが易し!親元を離れる機会が子どもの成長を早める』では、子どもたちの様子をお伝えしました。今回は、コーチたちが実践する子どもたちとのかかわり方について、レポートしたいと思います。
 
率直な感想は「コーチたちは本当にすごい」ということ。親ではつい声を荒げてしまったり、手を出したくなってしまうことでも、子どもたちが動き出すまで気長に待ってくれます。私たち親は、なぜ、急いで結論を出してしまうのだろう……。キャンプを通じてそんなことを考えさせられました。(取材・文 前田陽子)
 
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子どもと同じ目線まで下げることを実践する西牟田真也コーチ
 

■最初は、とにかく"見守る"ことと、"じっと待つ"こと

キャンプスタート直後は、子どもたちも緊張から少し浮き足立っているのか、落ち着きがありません。コーチが話を始めてもおしゃべりが止められなかったり、キョロキョロしたりしている子が多数います。それでもコーチは「静かに」などと注意することなく話を始めます。特にここは大切というポイントは何度も繰り返し、話をしながら子どもたちが聞く姿勢になるまで待ちます。
 
すると次第に子どもたちはおしゃべりをやめ、話を聞けるようになります。そこでコーチは「人の話を聞くときに大事なことは何だろう」と問いかけます。すると子どもたちから「おしゃべりをしない」「話している人を見て話を聞く」などの声があがります。ついさっきまで自分たちができていなかったことを、じつは“大事なこと”として理解できていることがわかります。ところが、子どもたちはまた同じことを繰り返します。それでもコーチは、話をするたびに子どもたちが聞ける姿勢になるのを待ち「話を聞くときに大事なことは何だろう」という声掛けを繰り返します。だんだんと話を聞ける姿勢になるまでの時間は短くなりましたが、この繰り返しはキャンプの間、ずっと続きました。
 
「子どもたちに聞いてほしいことは、必ず繰り返し話をして、聞ける姿勢になるのを待ちます。ですが、低学年は本当に大変でとても根気がいります。つい怒りたくなる親の気持ちは、僕も親ですからよくわかります。自分の子には怒ってしまうこともありますから。でもサカイクキャンプでは、危険なプレーや命に係わるような事件が起きない限り、コーチは怒りません。どんなプレーでも行動でも、認めてあげることが基本です」と高峯ヘッドコーチ。
 
私たち親は、一度話して理解できたことが、次にできないと「どうしてできないの?」と怒ってしまいがちです。けれど、自分を振り返ると同じ失敗を繰り返すことは多々あります。大人もそうなのですから、小学生の子どもができるはずはありません。コーチは親の立場では難しいと言ってくれますが、コーチたちのように完璧にできなくても“待つ姿勢”を取り入れることはできると感じました。また、行動を認めてあげると、怒りの感情は抑えられますね。
 
 

■指示は出すが強制はせず。危険なプレイには厳格に対応

ウォーミングアップでは、じゃんけんゲームは人数合わせなどで、子どもたち同士のコミュニケーションを図ります。仲良くなったところで、チームを分けてミニゲーム。1チーム7人ずつ分けられ、ゲームは6対6で進行するので、どのチームもひとりはベンチになります。「必ずルールを決めて交代すること」とコーチ。ですが、どの子もゲームに参加していたいので、なかなか交代しません。そんな状況でもコーチたちは「何で交代しないの?」とは言いません。「必ず交代するんだよ」程度です。ベンチの子が自ら仲間にアピールしたり、仲間同士の話し合いで交代のタイミングを決めさせます。すると『ゴールを決めたら、決めた子がベンチと交代』という案が出てきました。ゴールを決めた子は清々しく交代し、今度は自分が!と子どもたちも奮起します。もちろん、ポジションを決めるのも子どもたち。試合中はエキサイトして言葉がきつくなってしまう子もいますが、そんな時もコーチたちは言葉づかいについて言及することはありません。
 
いつも穏やかなコーチが豹変するのは、危険なプレイをした時のみ。プレイを止め、子どもの目を見て「何が悪かったのか」を本人にその場で理解させます。子どもたちはゲーム後に“さっきのプレイ”で話をしても、どのプレイのことかわかりません。その場できちんと理解させることが大切です。それまで穏やかで笑顔があふれていたコーチが急に厳しい顔つきになり、自分の目線に合わせて話し始めるものだから、子どもたちも「間違ったことをしてしまった」という状況がすぐに呑み込めます。そして何が悪かったのかが理解できると、次はしないと決めることができるのです。
 
このメリハリある対応は子どもたちには効果てきめん。いつも怒ってばかりでは、いつものことと流されてしまいます。また、ミニゲームのポジションや交代の方法などコーチが決めごとに関わらないからこそ、自分たちで考えて、実行に移すことができるようになります。
 
次ページ:ピッチの外でも"見守る"
 

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(※今夏のキャンプは全て終了しています。次回は冬休みに開催予定です)
 
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取材・文 前田陽子

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