考える力
書き続けたら「シュートを落ち着いて蹴れるようになった」センアーノ神戸6年生がサッカー上達を実感したサッカーノートの使い方
公開:2023年11月 9日
兵庫県神戸市の強豪街クラブ、センアーノ神戸は2022年春、使用するサッカーノートを市販のノートからサカイクサッカーノートに切り替え、サッカー面だけでなく生活面でも選手と指導者間のコミュニケーションの円滑化に成功しています。
これまで使用開始後1カ月、半年という2回お話を伺ってきましたが、1年経過したタイミングで、さらにどんな変化や成長が感じられたかを6年生の選手たちと担当コーチにお聞きしました。
(取材・文:貞永晃二 写真:浅尾心祐)
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■「シュートは落ち着いて蹴る」とノートに書き続けた
天野陽真くん(あまの はるま・6年生)
初回から取材にも回答してくれた選手で、1年使ってみての成長を語ってくれました。
―――サカイクサッカーノートを使った最初と今ではどれくらい成長したと思いますか?
サカイクのノートを使い始める前より、シュートの打ち方やフリーキックの壁の枚数など、理解できるようになりました。
―――試合や練習で気づいた、自分のいいところ、反省点などをサカイクノートに書けていますか? また、書くのが難しいと思ったことはありますか?
書けています。難しいと思ったことは、あまりないです。
――サカイクノートを書いて良かったなと思うところはどこですか?
以前はゴール前でのシュートを最後まで落ち着いて決められなかったんですけど、「落ち着いて蹴る」っていうのを忘れないように書き続けて、意識し続けたので、今はゴール前で落ち着いてシュートを決められるようになりました。
――立てた目標でできるようになったことはありますか?
あります。体の向きや、(ポジションの)落ち方、ビルドアップの立て直しとか、です。
――コーチに質問できなかったことを、ノートで意見を伝えたり、質問したりしたことはありますか?
たくさんあります。フリーキックの蹴る位置、コーナーキックの蹴り方、オフザボールの動き方などです。
――サカイクサッカーノートを書きだしてから、自分の成長具合はどのぐらいですか?
80ぐらい変わりました。そう思うのは、前のサッカーノートは小さくて、探究の項目とかは無かったんですけど、サカイクサッカーノートは探求や良かったところなどを書くスペースがいっぱいあって、すごくいいです。
――サッカーノートを見直すことはありますか? それがプレーの改善につながったことはありますか?
試合の前日や試合の日の朝などに見直します。サイドの仕掛け方やパスを出す位置が改善できました。
――1年間サッカーノートを書いてきて、もう少しこういうことを書けたらいいなと思うことはありますか?
悪かったところをもっと書きたいです。理由は、自分の悪かったところをもっと見つけて、それを活かして頑張りたいからです。
――ノートをチームメイトや親に見せたことはありますか?
チームメイトにはないですけど、親にはあります。コーチのコメントをしっかり見て、それを次の試合で頑張って、みたいなことを言われました。
▼センアーノ神戸 選手達のコメントはこちら!
■コーチのアドバイスをしっかり意識してプレーできるようになった
大谷飛翔くん(おおたに つばさ・6年生)
―――サカイクノートを使ってみて、どのくらい成長したと思いますか?
成長したところは、サッカーノートに書いて、コーチからアドバイスをもらったことを(試合で)しっかり意識してできるようになったことです。
―――最初はサッカーノートを書くのは難しかったですか?
最初はどんな内容を書いたらいいか、正直あんまり分かってなかったけど、使っていたらだんだん分かってくるようになってきました。
―――どういう項目が書きにくかったですか?
「探究」のところにどういうことを書いたらいいのか分からなかったので、そこは苦戦しました。
―――ノートは試合の日、練習の日どちらで書いていますか?
試合の日を基本的に書いています。
―――サッカーノートに忘れずに書いていることはありますか?
自分の成長したところをしっかり毎日書くようにしています。
■ノートに書くことで、コーチへの質問がしやすくなった
ファンハースト尚哉(ふぁんはーすと なおや・6年生)
―――最初、どういう項目が書きにくかったですか?
「探求」に何を書いたらいいか分からなかったけど、今はもう慣れました。
―――サカイクサッカーノートに書いている、練習や試合で気づいた自分のいいところ、課題は何ですか?
課題は、ちょっと慌ててしまうところや、あとはパスの精度がまだまだだなと思うところです。
―――サカイクサッカーノートを書いてみて、良かったなと思うところ、成長したなと思うところは?
試合中に意識してプレーするようになったところです。前よりかなり意識できるようになったと思います。
―――サカイクサッカーノートを書き始めて、立てた目標ができるようになったところはありますか?
あります。ゴール前での落ち着きです。
―――コーチがノートに書いたコメントを読んでどう感じますか?
ああ、ここ駄目だったなとか、自分の課題が多くなる感じがします。
―――サッカーノートにコーチへの質問を書いたことはありますか?
はい。練習の前後に個人個人が細かく質問する時間を取るのはかなり難しいので、ノートだと聞きやすいという感じがします。
―――サカイクサッカーノートを使ってみて、自分の成長具合はどれくらいだと思いますか?
80点ぐらいです。課題は意識しているんですけど、たまに忘れてしまうことがあるからです。
―――サッカーノートを見直すことはありますか? それがプレーの改善につながったことはありますか?
はい。自分が今日は駄目だったなというときどう改善したらいいかなと思ってノートを見ます。
―――サッカーノートを書いてきて、もう少しこういうことを書けたらいいなと思うことはありますか?
コーチがどう思っているかとか、コーチがやりたいサッカーとかが書いてあったら、もっと何か頑張れるかなと思います。
―――ノートをチームメイトや親に見せたことはありますか?
お母さんには見せたことがあって、もっとここを頑張ろう、みたいに言われました。
■選手たちの意欲、やる気の変化を感じる
サカイクサッカーノートを使う姿を間近で見ているコーチたちも、変化を感じています。
6年生担当の前泊璃音(まえどまり りお)コーチにも伺いました。
―――この1年サッカーノートを使ってみて、選手にどんな変化、成長がありましたか?
1年前と比べて、やっぱり学ぶ姿勢っていうのが第一に変わってきて、サッカーへの意欲、姿勢もやる気が出て、真剣に取り組んでくれています。
―――プレー面での成長はありましたか?
はい。例えば(選手が)分からないこと、技術とかをサッカーノートに書いてくるので、それに対して回答をしています。例えばこうしたらいいよというアドバイスもサッカーノートを通じて行っていて、やっぱりプレー面でもだいぶ戦術も変わってきていますし、すごく役に立っています。
自分の意見を言語化することができる6年生は、サカイクサッカーノートが選手とコーチとのコミュニケーションツールとして機能しているようです。
普段の練習時間だけではコーチと1対1の対面で話す時間をとるのが難しいため、サッカーノートを通じて質問し、コーチはじっくり考えて様々なアドバイスを書いてあげられるので、疑問や悩みの解消にも役立っていることがわかりました。
選手の本音、今考えていることを知ることで指導のアプローチも変わります。コミュニケーションを深め、サッカーの理解を高める。選手の成長にとってサカイクサッカーノートは大変重要な役割を果たしています。
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