健康と食育
マッサージは子どものためだけではない!お母さんやお父さんの心も満たされる!
公開:2015年10月 8日 更新:2021年1月27日
9月中旬に、一般社団法人キッズ&ジュニアスポーツコンディショニング協会が展開する「パパママトレーナー講座」が関東地区で開かれました。テーマは「1日10分でできる子どものコンディショニング」です。前回記事『絆ホルモンが心もほぐす!子どもをマッサージする7つのメリット』に引き続き、日本体育協会アスレチックトレーナーの資格も持つ佐藤曜子先生のもと、スポーツをがんばっている子どもを育てるお母さんやお父さんにとって必要な知識と実際の技術を教えてもらいました(取材・文 木之下 潤 写真 サカイク編集部)
■マッサージで心配になるのは力加減や施術時間
子どもの体をケアする際、講座に参加したお母さんやお父さんがもっとも気にしていたのは次のようなことでした。
【コンディショニングマッサージでわからないこと】
・圧力のかけ方(力加減)
・手の使い方
・マッサージするタイミング
・マッサージを行う時間
etc……
力の強さは目安として肌の上を手が滑る程度のものです。マッサージと言えば、指を使ってもみほぐすイメージを持っている方も多いでしょうが、指で筋肉をつかんで力を加えると、逆に筋肉を痛めることもあります。
だから、小学生以下の子どもは手を置いて滑らせる程度で十分です。中学生になれば、体も大きくなるので少し体重をのせても大丈夫です。子どもが「気持ちいい」という程度でいいと思います。また、力をかける角度は上から押さえつけるのではなく、体に対して45度を目安にすると、手を『滑らせる』ことができます。
ここで手のどの部分を使えばいいのかがわからない方もいらっしゃいます。コンディショニングマッサージでは、主に使う部分は4つです。示指、母指、小指球、手根。これらを使うと『もむ』という行為ではなく、筋繊維の流れにそって手を滑らせて『ほぐす』、また『流す』という感覚が伝わりやすいでしょう。
ただ年齢を重ねると体毛が増えるため、ボディローションをつけて滑りをよくすることをオススメします。さらにアロマ入りのものであれば、心身ともにリフレッシュ効果も高まるため、親子でコミュニケーションをはかるのにもさらに役立ってくれるでしょう。
佐藤曜子トレーナーが講座の中でマッサージのタイミングと時間についても教えてくれました。例えば、マッサージを行うタイミングは疲労回復が目的の場合はお風呂上がりがいいそうです。時間については上半身、下半身ごとに5~10分程度。各部位の一連のマッサージは2~3回下から上に向かって滑らせると良いとのこと。
そのときに強調していたのは、『お母さんやお父さんの心の状態』です。
■コンディショニングで大事なことは継続すること
どうしてもお母さんやお父さんは『子どものため』だと思えば自分たちがイライラしていたり、落ち込んでいたりしても無理してコンディショニングマッサージを行うでしょう。
子どもとふれあえる大切な時間も、会話が弾まなかったり素っ気なく終えてしまったりするともったいなくありませんか? マッサージは子どもの体のケアを目的としていますが、じつはお母さんやお父さんの心も、子どもとの何気ない会話やふれあいの中で、心が落ち着いたり和やかになっているのです。
『子どものため』を『自分のためでもある』と思えたらもっと楽しくマッサージができ、長く続けることができます。余談ですが、イングランドサッカー協会の調査では、夫婦仲がいいと子どものサッカーがうまくなるというデータもあるそうです。要するに、家族関係が良好な方が子どもの成長につながるということです。
では、具体的にコンディショニングマッサージのモデルパターンをご紹介しましょう。大きくは下半身と上半身にわけ、下半身はうつぶせ、あお向けの2つのエリアで行いますが、今回は下半身のうつ伏せで行うマッサージをご紹介します。
下半身マッサージの進め方
お尻→足の後面全体→アキレス腱周辺→ふくろはぎ→膝後面→太もも後面→足の後面全体
■お尻のマッサージ
お尻の筋肉が硬まってしまうと骨盤が後傾してしまい、腰痛やそのほかのケガの原因となってしまいます。お尻周りのマッサージのポイントは、仙骨と大転子の間の筋肉を揺らすように触ること。手のひらの手首に近い面を使い、筋肉の末端から徐々にほぐしていくと効果的です。力まかせに押すのではなく、自分の体重をうまく乗せることが疲れないコツです。
■アキレスけん周辺のマッサージ
アキレス健を押すと痛いので、アキレス健を押さないように、真ん中の盛り上がっているか所ではなく、そのわきの少し溝になっている部分をかかとの方から上に押し上げてあげましょう。両手の親指でアキレス健を挟み筋肉を伸ばしていくイメージです。アキレス健は疲れが溜まりやすく筋肉が収縮しやすい個所なので、うまくできれば、子どもはとても喜んでくれるでしょう。
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取材・文 木之下 潤 写真 サカイク編集部