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Jリーグドクターに聞いた、5類に下げられた新型コロナ対策、サッカーの現場での変更点は?

公開:2023年6月27日

キーワード:インフルエンザウィルス感染ウイルス風邪コミュニケーション免疫感染予防感染症対策新型コロナ熱中症黙食

2023年5月に新型コロナウイルスが5類に引き下げられ、感染症対策は個人に委ねられることになりました。それを踏まえて、サッカーの現場で具体的にどうしたらいいか、悩んでいる指導者や保護者、お子さんも多いのではないでしょうか。

そこで今回は、JFA医学委員会スポーツ救命部会の部会員で、東京オリンピックサッカー男子日本代表チームドクター、いわきFCのチームドクターとしても活動する福島理文先生(順天堂大学 循環器内科准教授)に、「育成年代のサッカー現場におけるコロナ対策」について、話をうかがいました。

どこまで対策すべきなのか? 疑問を抱えている保護者、指導者、選手のみなさんは、ぜひ参考にしてみてください。
(取材・文 鈴木智之)

 

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<<関連記事:2021年配信 新型コロナだけじゃない! 風邪、インフルなどウィルスから子どもを守るための正しい感染症対策 -日常生活編-

 

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■運動時のマスク着用は熱中症のリスクが高まり危険

新型コロナウイルス対策として、真っ先に思い浮かぶのが「マスクの着用」です。

2023年3月13日、厚生労働省はマスクの着用を「個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本となる」と発表しました。

さらに、5月の新型コロナウイルス5類引き下げ以降、屋内でのマスク着用に関して「推奨」から「任意」に切り替える企業や団体が増加しています。

上記の様なことから、暑さが本格化する7月以降、マスクをしない人がさらに増えることが予想されます。

福島先生は「暑い時期にマスクをして運動すると、顔周辺に熱がこもり、かつ呼吸もしづらくなるため、熱中症のリスクが高まります」と見解を述べます。熱中症対策の観点からすると、サッカーのプレー中にマスクをする必要はないと考えられます。

「ただし、スポーツ活動においては他者との距離が密接なことも多いので、一人が感染すると周囲に広がる可能性が高いです。そのため、熱がある、喉が痛い、咳が出るといった症状のある人は無理に参加せず、周囲への感染を防ぐためにスポーツ活動は控えましょう

さらに、こう続けます。

「換気や手洗い、うがいなど、コロナ禍以前にもしていた感染症対策は継続すべきと思いますが、常時マスクの着用や黙食などは、そこまで神経質にならなくてもいいと思います。私自身、病院の中ではマスクをしますが、ドクターとしてベンチに入るときはマスクをません。もちろん飛沫から感染するリスクはありますが、日頃の体調管理をきちんとしていれば、感染リスクを減らすことが出来ると思います」

 

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■飲み物の管理、ビブスの使いまわしはどうなる?

これまでサッカーの現場では、飲み物の管理やビブスの着回しなど、意識的に対策を行ってきました。

新型コロナウイルスの5類以降の取り組みついて、福島先生は「飲み物は直接口をつけるものなので、個人のものを用意したほうがいいですが、ビブスの着回しは神経質にならなくてもいいと思います」とアドバイスを送ります。

サッカー活動中の食事に関しても「飛沫感染には注意が必要ですが、子どもたちにとって食事の場でのコミュニケーションも大切ですからね。ただし風邪気味の子などは、他の人に感染させるリスクがあるので、話をせずに食事をしたほうがいいケースもあります」と話します。

子どもの場合、熱がある、具合が悪いといった症状に気づかないことがあるので、周りの大人が注意深く、観察してあげるといいでしょう。

 

■新型コロナ対策関係なく、手洗いは継続

その他の感染対策として、手洗いや手指消毒がありますが、「これに関しては続けたほうがいい」と述べます。

「サッカーの活動中は手でボールを触ったり、地面に座って手をついたりと、汚れる場面がたくさんあります。とくに子どもは、汚れた手のまま食事をしたり、顔を触ったりといったことがあるので、コロナに関係なく手洗いをしっかり行いましょう」

 

■過剰な対策にはデメリットも

大切なのは、意味のある対策をすること。過剰な対策には、デメリットもあるようです。

「子どもの場合は、免疫をつけることも大切です。我々が子どもの頃は、外遊びをする中で土や葉っぱなど自然に触れることで、免疫を獲得してきました。そのため、手洗いのしすぎや外出時は常にマスクをするといった行動は、子どもの成長や免疫の獲得、他者とのコミュニケーションを含めた心理的な面を考えると好ましくないかもしれません」

また、福島先生は「子どもの場合、体の免疫に関わる病気を持っていなければ、コロナにかかっても高齢者のように重症化する確率は低く、マスクを始めとするコロナ対策を過剰にすることに対して、メリット・デメリットを考えながら判断していきたいですね」と話します。

サッカーの現場では、チームや指導者の方針、保護者の意見など、様々な考えがありますが、過剰な対策をしないことも、子どもの心身の健康を考えると大切なことのようです。

 

コロナに関する情報は、日々移り変わっています。積極的に情報を入手し、「いま必要な対策はなにか?」を考え、臨機応変に行動することが必要なのではないでしょうか。

状況を把握し、適切に振る舞うのは、サッカーも感染対策も同じ。様々な情報を見たうえで大人たちがきちんと考えたうえで判断を行い、行動することを心がけましょう。

 

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取材・文 鈴木智之

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