サッカー豆知識
【サッカー用語】サッカーにおける「ビルドアップ」とは? 意味からポイントまで解説【戦術】
公開:2021年3月25日 更新:2024年7月 4日
サッカーで攻撃の際に使われる「ビルドアップ」という言葉。コーチや監督、テレビの解説で耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
ビルドアップとは、英語で「作り上げる」「築き上げる」という意味を持ち、サッカーでは「攻撃を構築する」意味として用いられます。
DFや守備的MFが、自陣の後方から前方まで主にパスを活用してボールを運んでいくことを。また、ビルドアップのポイントついても取り上げているのでぜひ参考にしてみてください。
<目次>
■ビルドアップとは
ビルドアップ(build up)とは、英語で「組み立てる、築き上げる」という意味を持つ言葉であり、サッカーにおいては攻撃の組み立てを意味します。
攻撃の組み立ては、相手ゴール前での攻撃のことではなく、自陣後方のゴールキーパーやディフェンダー(センターバック、サイドバック)から中盤、前線へとボールをつなげていきながら行うことだと考えてください。
ビルドアップというとパスによる組み立てをイメージするかもしれませんが、「相手敵陣までボールを運ぶこと」を意味する言葉なのでパスだけに限らずドリブルによる攻撃の組み立てもビルドアップの1つと考えられます。
ボール支配率、ポゼッションを高めるための戦術ではなく、あくまで目的は前方にボールを運び相手ゴールを目指すこと。後方でパスをつなぐだけではビルドアップとは言えません。
ちなみに、似たような言葉に「ビルドアップ走」というものがありますが、こちらは、ランニングの練習方法を指す言葉であり、サッカーとは関係ないため間違えないようにしましょう。
ビルドアップの練習
ビルドアップの練習方法はさまざまですが、最も簡単に行えるのがボール回しです。ボール回しは相手ディフェンダーがいる状態でボールをキープすることになるため、正確なパスはもちろん体の向きやパスを受ける際のポジショニング、パス選択の瞬時の判断やパス出しする相手へのアイコンタクトなどビルドアップに欠かせない要素を多分に含んでいます。子どもたちにとっても馴染みのあって楽しみながらできる練習メニューなので、取り組みやすいでしょう。
■ビルドアップのポイント
ここでは、ビルドアップを行うときの基本的なポイントについて解説します。本当に基本的なポイントですが、ビルドアップには欠かせない要素になりますので参考にしてみてください。
正確なパス
ビルドアップはパスをベースにして自陣ゴール前から攻撃を組み立てていくことですので、ビルドアップの途中でボールを奪われてしまえば、敵に大きなチャンスを与えてしまうことになります。そのため、正確なパスは絶対に欠かせない要素となります。
パスがずれる、浮く、一か八かのパスをだすといった状態では、相手にボールを奪われるリスクが高まり、かえってカウンターを受けるかか相手のビルドアップをしやすくしてしまうことになるかもしれません。特にビルドアップではゴールキーパーやディフェンスラインでのパスの精度は非常に重要となります。自陣ゴール付近でパスミスをしてしまうと失点に直結してしまうため、チーム全体で正確なパスをつなげるようにすることがビルドアップの最大のポイントとなります。
もちろん、パスを受ける際のトラップによってもビルドアップの質は変わってきます。練習の際はパスの受け方やワンタッチ目のボールの置き場所にもこだわってみてください。
ポジショニング
ビルドアップを行う場合、ボールを受ける選手のポジショニングは非常に大切です。特に自陣でのパス回しは確実で安全なものが求められますので、パスの正確性はもちろん、パスの受け手が適切なスペースに入り込み、パスを出す人に多くの選択肢を与えるような動き、つまりポジショニングが大事となります。
パスの出し手の態勢、ボールの位置、相手や味方選手の位置などの状況を素早く判断し、自分のポジショニングを決めて動く。パスが出たら、また次の状況を判断して素早く移動する。サッカーはその繰り返しとなります。ときには別の味方選手へのパスコースを作るために「おとり」となるような動きも必要となります。
また、ビルドアップで特にポイントとなるのがディフェンスラインのポジショニングです。具体的には、2人のセンターバックがボールを受けるポジションを取るときは、ペナルティエリアの幅を目安に開くのがポイントです。これは、センターバック2人が距離を取ることで相手フォワードがプレッシャーをかけにくくなるためです。
サイドバックもセンターバックよりも高い位置が取れれば、相手の守備網を突破しやすくなるだけでなく、より前方へボールを運びやすくなります。
あくまでも目的はゴールを奪うこと
ビルドアップをしていると、どうしてもボールをキープしてパスを上手く回すことばかりを意識してしまいがちです。しかし、ビルドアップの目的はあくまでも攻撃を組み立て「ゴールを奪うこと」だということを忘れないでください。パスをきちんと回すことは大事ですが、相手のペナルティエリア近くまで入ってプレーできなければ、相手にとっても怖くはありません。相手のプレッシャーがこない後方でボールを回すことがビルドアップではありません。敵陣のせまい隙間をぬって味方選手が出しやすいパスコースを作る動きができるようになれば、ゴールにからむプレーも増えてサッカーがより楽しくなってくるはずです。
8人制サッカーでのビルドアップ
8人制サッカーでもビルドアップを行うときのポイントは11人制と同じです。ただ、8人制サッカーは、11人制サッカー以上にスペースができ全員が攻守に関わることが求められるため、ディフェンスの選手が前線に上がっていくこともあるでしょう。また、キーパーが高い位置を取りパス回しに加わることができれば、味方を前線に押し上げることができるため、ゴールキーパーも攻撃に関わるという意識を持たせることが大切です。
■まとめ
今回はビルドアップに関して、その意味から行う際のポイントについて解説しました。攻撃の組み立てを意味するビルドアップにおいては、後方の選手から前線の選手まで全員が協力して攻撃を組み立てていきます。ただし、あくまでも目的はゴールを奪うことにあるため、ただのボールキープにならないように注意してください。