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U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2024

「試合だけ頑張る」じゃダメ、全国優勝経験を持つレジスタ中城監督が試合後選手たちに語ったこと

公開:2024年8月30日 更新:2024年9月20日

キーワード:チャレンジレジスタワーチャレワールドチャレンジ自立

『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ』。埼玉の強豪レジスタは、千葉県トレセンU-12と戦ったラウンド32で、PK戦の末に敗退。その後、行われた試合で、サルツフットボールクラブに2対0で勝利し、有終の美を飾りました。

サルツ戦後、中城勉監督とキャプテンの鈴木盛弘選手に、話をうかがいました。
(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)

 

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試合後、選手たちに「勝敗より大事なこと」を語りかけた 写真:新井賢一

 

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■キャプテンとして雰囲気を上げることを意識している

試合後、選手に話を聞きました。

インタビューを受けてくれたのは鈴木盛弘くん(22番)。

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22番 鈴木盛弘くん(C)新井賢一

 

22番 鈴木盛弘くん

――2対0で勝利しました。試合の感想を聞かせてください。

チームの意図として、前からはめていこうというのは、11人制でも変わらないことです。監督の指示通り、しっかりと前からはめて、縦パスが入った時を狙いました。前半で2点先制することができ、そのままの流れで押し込んで2-0で勝つことができました。

 

――キャプテンとして心がけていることは?

チームが負けていたり、同点で最後の方になって、チームの雰囲気が悪くなった時に、盛り上げたりと、雰囲気を上げるところを意識してやっています。

 

――先輩たちが全国優勝していますが、自分たちもそうなるために必要なことは?

日々の練習からしっかりと自分の課題に向き合って、全国制覇に向けて頑張っていきたいです。

 

――将来の目標は?

将来はリバプールに入って、ファン・ダイクのような選手になりたいです。競り合いが強くて、コーナーキックからヘディングで決めたりとか、対人に強いところが好きです。

 

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■言われたことをしているだけじゃダメ、目標に近づくためにどうすればいいかを考える

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中城勉監督(C)新井賢一

 

中城勉監督

――試合後、長い時間、選手たちとミーティングをしていましたが、どういう話をされたのでしょうか?

試合の勝ち負けよりも、君たちの夢や目標に近づくことが大事だよという話をしました。そのためには、どう取り組んだらいいのか。何が足りていないのか。他のチームの選手と比べて、自分に何が足りないのか。そこにもっと気づくべきで、ただ言われたことだけをしているんじゃダメだよって。

もう12歳なんだから、自分からもっとアンテナを張って、いろんなことを吸収して、自分でできることに取り組まないと変わらないんじゃないの? という話もしました。今日の試合は勝ちましたけど、それで満足しちゃダメで、自分が目標に近づくにはどうしたらいいか考えようねって。そんな話を子どもたちとしていました。

 

――試合の結果よりも、成長に重点を置いているということですね。

そうですね。今回のワールドチャレンジは、普段の8人制から11人制への変化があり、グラウンドの大きさも変わります。その中で、子どもたちが何ができるのか。素晴らしいチームに対して、どれだけ通用するのかを見て、分析して伝えたいという気持ちがありました。

 

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■試合だけ頑張るのではなく、ピッチ外でも子どもたちに自立を求めている

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レジスタでは、選手にピッチ内外での自立を求めているそう 写真:新井賢一

 

――ラウンド32では、千葉県トレセンU-12との試合で、PK戦の末に敗退してしまいました。

結果はPKですけど、うちらしさがなかったんですよね。そういうところも含めて、選手として、どうすればいいのか。試合だけ頑張ろうじゃなくて、朝起きてからここに来るまでの時間の使い方とか、そういうのも考えてほしいと思っています。

何でもかんでも親に言われてとか、コーチに言われてやるんじゃなくて、自分で逆算して考えてやらないと、パフォーマンスも上がらないんじゃないのという話は、常日頃からしています。それも含めて、今回はちょっと足りなかったのかなと思います。

 

――この年代は大人になる過程、自立する入り口ですね。

そうなんです。自立の部分は、子どもたちに求めているところです。もちろん彼らも何をどうすればいいかがわからないし、そこに答えはないのですが、やらないよりはやってみて、成功・失敗を経験したほうが良いと思っています。

その中で気がついたり、学ぶことも多くなるので、サッカーに限らず、いろんなことにチャレンジしてほしいんです。自分から気づいたことはやってみるとか、コーチはそうしたほうがいいと思うよという話はしています。

 

■「本気」はコーチが教えるものではない、ワーチャレはたくさんのことが学べる大会

――『ワールドチャレンジ』は世界に挑戦する場ですが、大会の意義について、どうお考えですか?

日本以外のチームが海外から来ることで、文化の違いもあります。直接は対戦していませんが、中国チームの選手たちを見ると、本気度が違います。それはコーチが教えるものではないと思うんです。その姿勢を見て、うちの選手たちも気づいてほしい。

中国のチームは点差が離れても、妥協しません。僕らもそれは子どもたちに言うんですけど、相手にも失礼になるし、最後までやり切って自分たちのパフォーマンスを出そうよって。その視点で中国チームと比較すると、まだ足りないなと感じました。

好きなサッカーをしているんだから、突き詰められるだけ突き詰めた方が、今後、自分が生きていく中でも何かの役に立ったり、ヒントになるのかなと。その意味では、たくさんのことを学ぶことのできる大会だったと思います。

 

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取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一

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