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世界を見てきたコーチが語る。いま求められる守備の指導法
U-13年代で学ぶべき守備のトレーニングコンセプト
公開:2017年12月 5日 更新:2020年3月24日
スペイン・バルセロナを拠点に、世界中のクラブ、選手の指導&コンサルティングを行っているサッカーサービス。 世界中で指導を行ってきた彼らだからこそ語れる、日本サッカーの課題である「守備」の指導法についての連載です。
第4回目の今回からは、サッカーサービスが提案する年代別の守備コンセプトについて、フランコーチに解説してもらいます。
(この連載は2016年5月に開始したメールマガジン「知のサッカー:守備」の内容を転載したものです)
第1回>>「日本の選手の多くは守備の仕方をしらない」
第2回>>「バルサの闘将」も学び続けていた『守備における個人戦術』
第3回>>「チームの守備コンセプトをしっかり選手に伝える」それが指導者の仕事
■年代別の分けられているトレーニングコンセプト
これまで3回に渡って、日本代表からジュニアまで分析した結果、浮かび上がった「日本人選手の守備の課題」について、我々の考えをお伝えしてきました。
ブラジルW杯で日本代表は惨敗してしまいましたが、守備の個人戦術、チーム戦術を向上させることができれば、防ぐことのできた失点がいくつかのケースで見ることができました。
我々が考えるに、大人になって守備のコンセプトを教えたからといって、すぐに実行できるものではありません。何より、現代サッカーは目まぐるしいスピードでボールが動き、プレーが連続しています。考えて判断していては間に合いません。プレーの中で素早く認知・判断・実行を行うためには、ジュニア年代からの積み重ねが不可欠なのです。
この連載を読んで頂いている、熱心な指導者の方は「どのようなコンセプトのもとでトレーニングをすれば、守備の個人戦術、チーム戦術を向上させることができるのだろうか」と、日々、自問自答していると思います。選手を向上させたいと思い、サッカーと真摯に向き合う。その姿勢は素晴らしいものだと思います。
我々サッカーサービスは、守備を習得するために必要なことを体系立てて整理しました。それをみなさんにご紹介したいと思います。
ここでは、U-13とU-18にカテゴリーを分けてお伝えします。
なぜならば、選手の発達や発育の年代において適した内容をトレーニングすることで、選手はスムーズに理解し、身につけることができるからです。
■U-13向けの個人戦術のトレーニングコンセプト
今回はU-13向けのコンセプトを紹介します。
<U-13向け>
1.個人での守備(味方のサポートが無い状態)
【守備における認知】
●相手にプレスをかける前に後ろを確認する
●守備時のポジション調整
守備において、まず考えるべきが「一人で守るのか」それとも「複数(2人以上)で守るのか」ということです。
ボールホルダーに対して、選手一人で対応しなければいけない場合、優先すべきは「抜かれないこと」。つまり、自分の背後のスペースを使われないことです。
ボールホルダーと1対1の場面で闇雲にボールを奪いに行き、かわされてしまい、背後のスペースを使われてしまうと、一気にピンチを招きます。
そのため、まずは自分の背後の状況がどうなっているか、スペースはどこにあるかを確認してから、プレスに行くべきか、そうでないかを判断します。これがもっともシンプルな守備の認知です。
【1対1でのプレス】
●相手を意図する方向へ誘導する
●プレスをかけられる位置へ素早く到達する
●最適なポジションをとるために腕と体を使う
●素早く戻り、後方のスペースを守る
周囲の状況を見て、ボールを奪いに行っても良い状況であれば、ボールホルダーに素早くプレスをかけます。このときにポイントになるのが、「ボールホルダーを意図する方向へ誘導すること」です。
ボールホルダーがサイドでボールを持っている場合、危険なエリアであるピッチ中央部に入らせないように、相手をピッチの外側へと誘導するようにプレスをかけて行きます。
このときに、相手の利き足も意識して「どちらの方向へ誘導すれば相手は困るか」を考えながら、プレスをかけていきます。
(うまくDFを誘導し2対1を作り出している。DVD「知のサッカー第3巻」より)ルーズボールやフィフティ・フィフティのボールに競り合う時、選手がもっともプレーしやすい状況を作るために、腕や身体を使ってポジションを確保します。また、相手のドリブル突破に対応するときに、腕を使って進行方向のスペースをブロックすることもあります。 守備の際に守るべきスペースに戻るときは、一目散に、素早く移動することが大切です。ゼロコンマ何秒の遅れが、失点につながるのがサッカーというスポーツです。
ここまでが、U-13年代で一人で守備をするときに必要なコンセプトです。
これらの状況が起こりやすいトレーニングを設定し、その中で段階を経て習得していきます。
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