- サカイク
- 連載
- あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]
- 未だに罰走させるベテランコーチに、罰走をやめてもらうよう上手く伝える方法はある?
あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]
未だに罰走させるベテランコーチに、罰走をやめてもらうよう上手く伝える方法はある?
公開:2023年5月12日 更新:2023年5月15日
■オシムさんも選手に「走れ」と言っていたが、罰の意図ではなかった
先ごろ刊行された『オシムの遺産 彼らに授けたもうひとつの言葉』という本では、私もインタビューを受けています。オシムさんはミスをしたジェフの選手に「走れ」と命じましたが、私はそれは罰ではなかったと考えています。
そのことが、以下のように書かれています。
命じられた選手は、走っているか歩いているかわからないくらいダラダラ行く。走り始めは全員、嫌な顔をしている。ところが、グラウンド1周の半分ぐらいを過ぎてくると、うつむき加減だった顔が上がってくる。辛そうにゆがんでいた顔が引き締まる。目をかっと開き「次はどうしたらいいか」を考えている顔つきに変わった。
「(ミスして混乱した)頭を冷やす時間を、オシムさんは選手たちに与えていた。ミスすると走らされるという恐怖を与えるのとは違うのです」と池上。罰ではなく、考えさせる時間。それは即ち岸本の言った「準備」の一環なのだ
出典:島沢優子.オシムの遺産 彼らに授けたもうひとつの言葉.竹書房,2023-05-01
最後に出てくる「岸本」とは、ジェフでゴールキーパーコーチだった岸本浩右さんのことです。私が育成部長などを務めた京都サンガでジュニアユースの監督でした。
15年のJユース杯でガンバ大阪を下して優勝させた際、オシムさんから「監督の仕事は試合前に終わっている」と言われた話をあげて「僕が立って、わめいて、指示を送ったりするというのは、この1週間準備をしてこなかったということになる。試合に出てくる彼らのミスは、実は僕のミスですから」と話しました。
見本になるコーチはたくさん存在します。コーチ全員で学ぶ。学びの場や機会をつくることが大切です。
こちらもおすすめ
- 「サッカーやめていいぞ」元日本代表ボランチ福西崇史が子どもを突き放す理由とは
- 2016年9月 5日
- 福西崇史さんといえば、あなたはどんな姿を思い浮かべますか? 日本代表としてワールドカップ出場を果たしたサッカー選手としての姿でしょうか。あるいは、NHKを中心に分かりやすくサッカー...続きを読む
募集中サカイクイベント
関連記事
あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]コンテンツ一覧へ(193件)
コメント
- サカイク
- 連載
- あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]
- 未だに罰走させるベテランコーチに、罰走をやめてもらうよう上手く伝える方法はある?