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あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

寄せが甘くて交わされたり、ボールを奪えない子どもたち......。守備時の距離感を身に着けさせる方法を教えて

公開:2025年9月24日

キーワード:ディフェンスプレスディフェンスボールを奪う守備池上正相手との距離

守備の時相手との距離を詰め切れない。頑張ってついているつもりだけど、寄せが甘くて交わされたり、ボールを奪えなかったり......。

課題はわかっているものの、中学年(U-10)の子どもたちに、どんな指導で身に着けさせるのがいいか悩むお父さんコートからのご相談をいただきました。

ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上のあらゆる年代の子どもたちを指導してきた池上正さんが、相手との距離の掴み方を理解させる指導を具体的にお伝えします。
(構成・文 島沢優子)

 

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(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません

 

 

<お父さんコーチからの質問>

こんにちは。少年団でパパコーチをしている者です。

ご相談したいのは、守備の距離感を覚えさせることです。

守備に行っているつもりで、実際詰めきれて無いことが多いです。

なので、交わされたり、ボールを奪えなかったりすることが多いです。

相手との距離感は感覚を掴むしかないのかな、と思っていますが、一方でもっと具体的な指導(声かけなど 例:あと10cm相手に近づこう)でイメージを持たせることもできるではないか、とも思っており。

ただ、そのイメージさせる指導も具体的に何か思いついているわけではなく......。

どうすればもっと厳しく守備してくれるでしょうか?

 

タイプによって響く言葉が違う
子どものタイプ診断>>

 

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<池上さんからのアドバイス>

ご相談ありがとうございます。

指導されている子どもたちは10歳以下なので小学4年生くらいでしょう。その年代であれば、一対一でどんどんチャレンジさせて、抜かれ続けていいと私は思います。

 

■自分の間合いを見つけるよう寄り添って。「手を伸ばして相手がさわれる距離」など具体的にイメージできる伝え方もおすすめ

抜かれたり、ボールが獲れなかったりするのであれば、失敗したときとは違う距離感やタイミングで試みるようアドバイスしてください。その際細々と教え込むのではなく、その子が自分の間合いを見つけられるよう寄り添ってください。

書かれているように「あと10センチ相手に近づいてみよう」と声をかけてもいいでしょう。相手にドリブルでかわされたとしたら、そんなふうにかわされることもあるという予測が次の機会で立てられます。

距離感の点から考えた場合、指導者によってさまざま意見がありますが、私がいいなと思ったのは日本サッカー協会C級の研修会で出会ったインストラクターの方です。

まずは子どもたちに「自分が手を伸ばして、相手がさわれる。それぐらいまで寄ってごらん」といった主旨の話をされていました。

子どものそのときの能力によって、守れる子と守れない子がいるでしょうが、そこを基準に目指していけば経験を重ね、体が大きくなったり筋力がついてくると守れるようになります。

 

■足を出してボールを奪う成功体験が大事、「どこまで近寄れば奪えるか」の感覚をつかむ

その次に言ってほしいのは、ボールをまず取りに行こうということです。

足を出してボールが奪う。そういった成功体験が大事です。つまり、手でさわれる距離まで詰めて、なおかつ「そこから足を出してごらんよ」と伝えます。そうして、どう? 相手のボールに届くんじゃない? と話します。

「いつもボールを取りに行くことにしよう」と働きかけた後、「じゃあ、ボールを取るためにはどこまで近寄らないとダメですか?」と問いかける。そういったことを繰り返す必要があります。

その際、上述したように手が届く距離までいけるかどうかは、その子の能力や経験値で違ってきます。よって、抜かれたりかわされたりしても怒ったり咎めたりしてはいけません。

「どんどん取りに行こう」「自分で取れるタイミングを見つけましょう」と声をかけましょう。日本の少年サッカーでは「ミスしたら叱られる」と感じている子どもが少なくありません。思っている以上に、コーチの厳しい態度はマイナスに作用します。

「どうして抜かれるの!?」と強い言葉で叱ってしまうと、子どもは「いったら抜かれちゃう」と思って、次は厳しく行かなくなってしまいます。

抜かれたときは「抜かれないようにするにはどうしたらいい?」「うまく取るためには何を考える?」といった前向きなものにしてください。

当然ながら抜かれないほうがいいのですが、取りに行かないよりも、行くほうがベターだという感覚になってほしいのです。

したがって、決して「抜かれるな」とか「飛び込むな」という指示命令はしないようにしましょう。

失敗を指摘するだけでは、出てくる事象を単に指摘するだけなので指導とは言えません。

 

■抜かれても最後まで追いかける習慣を身に着けることも重要

抜かれてはいけないという感覚ではなく、取りに行った。チャレンジした。もう一回取りに行こう。それはいいチャレンジだったね。そのようなイメージを子どもに植え付ける。それが成長のエンジンになります。

そして、抜かれても最後まで追いかける習慣を身につけることも重要です。海外のプロ選手でさえ、自分が抜かれたら一心不乱に追いかけます。そんなことを伝えてください。

「もう一回取りに行こう」「チャレンジして抜かれても、カバーに行くとか次のことをやれればいいよ」「抜かれないようにするにはどうしたらいいかな?」

そういう指導に変えれば、勇気を持ってボールを取りに行く子が育つはずです。

また、頭のなかでイメージをつかむと同時に、体のバランスを整えるトレーニングを取り入れてもいいでしょう。

例えば、鬼ごっこ。逃げる側は左右に動いてかわす、つまりフェイントをかけたりします。左右に振られてもバランスを崩さないようにする力が養えます。

 

「二人で挟め」ではなく、伝え方を変えて成功体験を積ませることが守備力を伸ばす

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コーチからの【チーム指導の悩み】に池上正さんがお答えします(例:年代がバラバラなチームの練習メニューなど)※記事になります
※質問の文言を記事にさせていただくことがあります。その際はプライバシーには配慮します。
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構成・文 島沢優子

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