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あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

小6の秋から11人制に移行しやすい「先取り」トレーニングしたほうが良い? 中学入学までのお薦めの指導を教えて

公開:2026年10月16日

キーワード:11人制8人制お父さんコーチつなぐサッカー先取り周りを見る池上正

サッカーも「先取り」しておくと中学入ってラク? 11人制に慣れてることでアドバンテージになるのか、それとも小学生年代はずっと8人制でやるのが良いのか、と悩むお父さんコーチからのご相談。

最後の公式戦を終えたあたりから増えるこのようなご相談。

ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、この時期から中学入学前までの指導についてアドバイスを送ります。
(構成・文:島沢優子)
 

(写真は少年サッカーのイメージです)

 

<お父さんコーチからの質問>

池上さんこんにちは。

とある街クラブで指導しています。とはいえ普段は会社員で、プロコーチではありません。
ここ数年6年生を担当しているのですが、このぐらいの時期から迷うことがあります。例年、中学以降もサッカーを続ける子が多いのですが、その準備についてです。

中学入学で学校もサッカーも環境が大きく変わり、ストレスも大きいと思います。なので、練習強度が上がってもついていける体力をつけるとか、11人制を経験させておくと、少し余裕をもてるのでは無いか、と考えることがあります。

他のチームの子がやってない事を先にやって経験値や精神的に優位に立つ、先取り教育みたいな感じで個人的にはどうかなと思う所もあるのですが......。(先取りが悪いと言いたいわけではないのですが、必ずしもスタートから優位に立って逃げ切れるとも思ってないので)

ただ、自分を振り返っても、小→中が環境変化のストレスが大きかったなと思うので、そのようなことを考えてしまう次第です。

3月末まで練習も招待試合もあるとはいえ、10月、11月には公式戦が終わるので、それ以降のモチベーションの持たせ方やトレーニングの構成など、何か推奨していることはありますか?

それとも3月末までしっかり8人制をやっているほうが、11人制に順応しやすいでしょうか?

 

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<池上さんからのアドバイス>

ご相談ありがとうございます。

ご相談者様は小学6年生の担当でいらっしゃいますね。

中学になると8人制から11人制へ移行するため、小学6年生の秋冬シーズンをどう過ごすか、指導者としてどう対応すればいいか? とのこと。いまの時期、よくいただく質問です。

中学で困らないように11人制を経験しておけば多少なりとも余裕をもって臨めるのではないか。そのために「何か準備できれば」と皆さん思われるようです。

お気持ちはお察しますが、ここでは年代に応じた育成の優先順位についてお話させてください。

 

■11人制の準備より「12歳で身につけておくべきこと」に目を向けて

サッカーの基本的な考え方は8人制でも11人制でも変わりません。実際に中学生にあってから11人制を経験すればよいでしょう。小学6年生でそこへの移行を急ぐ必要はありません。

なぜそうお伝えしたかと言うと、12歳以下のコーチたちには「11人制の準備」よりも、「12歳で身につけておくべきこと」に目を向けてほしいからです。

12歳までに習得しておくべきは、人数に対応することではありません。8人がゲームでしっかりと連動できるようになることです。

それが8人でなくてもいい。6人とか7人でもよくて、例えば俗に言われる3人目の動きができるようにしてください。ボールがないところの動き。スペースを探したり、あるいは埋めたりできる。

それを習得しておけば、11人制になったり、あるいはシステムが変わったり、ポジションが変わったり、あるいは動く範囲が広くなったとしても、そんなものはすぐに慣れてしまいます。それは45年近く子どもを教えてきた経験のなかで私が学んだことです。

 

■先取り教育のデメリット

つまり先取り教育にはデメリットがあると言えます。11人制の動きをやってみたり、教えたりすれば、12歳という年齢で本来取り組むべき課題を後回しにする可能性があります。

8人制のほうが、選手が自分の周囲を見て判断し、守備から中盤、前線へつなぐ原則を理解しているか否かを確認しやすいはずです。

したがって、11人制を経験するよりも、上述したような「認知・判断」ができるようにすることに時間を割いてほしい。そこの習得を優先してほしいのです。

 

■8人制で周囲を的確に見る力とつなぐサッカーの構造を学ぶ必要がある

8人制のほうがわかりやすい理由をお伝えしましょう。

例えばゴールキーパーからボールが出た際に、バックの選手が誰を見てどう対応するでしょうか。自分の左右と前にいる選手の位置を把握しなくてはいけません。

バックの選手に「ゴールキーパーからボールが出たね。ディフェンスの人は誰と誰を見ますか?」と確認したとします。これを11人制にしてしまうと、見るべき対象が増えるため混乱します。

さらにいえば、多くのチームが8人制と同じ広さのコートで11人制にするため、人数が増えたぶん曖昧なパスをしても誰かが拾ったり。そんな場面も見受けられます。

そうならないように8人制で、しっかりと自分の周りのことを見られるようにしてあげましょう。

「ディフェンスから中盤につないで、中盤からトップにつなぐっていうのがサッカーで、そうするためには8人だとこんなふうになる」そういったことを12歳までにしっかり学んでおく。まずは8人制で周囲を的確に見る力と、つなぐサッカーの構造を学ぶ必要があります。

そうすれば、目の前の子どもが12歳の時点で「この子たちが17歳になったときの選手像」を描けるはずです。

サッカーは、17歳ごろまでにサッカーに関する多くの要素を学ぶことが理想とされます。

12歳以下のコーチは「この子が17歳になったら、どんな選手になるかな?」と想像しながら指導してください。

 

■中学に上がって一番大事なのは、自分で考えられる頭脳やパーソナリティ

すでに申しましたが、中学校に行って困らないようにという親心のようなものはわかるのですが、中学に上がって一番重要なのは、自分たちで考えられる、自分たちでいろんなことに対応できる頭脳やパーソナリティです。そこを磨くことを重要視しましょう。

欧州では、17歳ごろに止める、蹴るといった基本技術をあらためてトレーニングさせます。プロで通用するための正確なキックやタイミングを再度反復するのです。

これに対し、日本では技術を早く教えがちで、チームとしての連動や協力に関する学習が遅れてしまう傾向があります。小学6年生の時点で、全員で協力してボールをゴールまで運ぶサッカーを学んでいない子どもが少なくありません。

6年生の秋冬は大会などが減ります。ここをぜひサッカーを学び直す時間にしませんか。自分ひとりでかわして得点することよりも、仲間と協力してどこへパスを出すかを考えてもらいます。

中学ではボールも変わります。4号球から5号球へ移行しますね。時々5号球を使うことは問題ないものの、早い段階から強く蹴らせることは、スポーツ障害の原因になり得ます。足首や膝などへの影響は小さくありません。特に急激に身長が伸びている選手に大きな負荷をかけると、腰椎分離症などの障害が起こりやすくなります。

 

海外では1日の試合数が日本と違う

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コーチからの【チーム指導の悩み】に池上正さんがお答えします ※チーム指導者からの相談受付です。「わが子」の悩み相談ではない旨、ご理解賜りますようお願い申し上げます※記事になります
※質問の文言を記事にさせていただくことがあります。その際はプライバシーには配慮します。
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構成・文 島沢優子

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