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やっぱりみんな困っている!? 子どものサッカー ホントのトコロ
サッカーをするお子さんを持つ保護者の方は、どんなことに悩んでいるのでしょうか
公開:2013年6月17日 更新:2013年7月23日
先日、サカイクでは読者アンケート「保護者のお悩みを教えてください!」と題して、みなさんに「お子さんとの関わりでうまくいってること、いってないこと」「お子さんと自宅でサッカーの話をする、しない?」「他の保護者の方に聞いてみたいことは?」などなど、お子さんとの関わりについての質問をさせていただきました。ご協力いただいた方にはこの場を借りて御礼を申し上げます。
さて、このアンケート、なんのために実施したかといえば、保護者の方が本当に悩んでいることをお聞きして、そのリアルな声を様々な専門家の方たちぶつけてみようという、新しい連載企画への布石でした。
サカイクに限らず、取材記事はうまく行っている事例を取り上げるのがほとんど。「褒めて伸ばす」「怒らない」「子どもの気持ちになって」「親はなるべく口を出さずに」それが、いいのはわかっているけど現実は・・・・・・。悩ましい理想と現実。本当のところ、どうしたらいいのか? そんな視点で、連載を進めて行こうと思っています。
連載の第1回はアンケート結果を紹介しながら、保護者の方たちが何に悩んでいるのか? どういう方針でこれから連載を進めていくかの話が中心になります。質問に対する答えというより、問題提起が多くなりますが、まずはここから始めさせてください。
■サッカーで親子間のコミュニケーションが増えた
「サッカーを通じて一緒にいる時間が増えた」「共通の話題ができた」
アンケートの「サッカーを通じたお子さんとの関わりでうまくいってること」に対する答えでは、ほぼすべてのみなさんが「サッカーがコミュニケーションになっている」ことを挙げてくれました。子どもたちに目的や目標ができ、保護者の方もそれに関われる。
「サッカー経験者ではないのですが、土日の練習、もしくは試合がない時に近くの公園で親子サッカーをするようになったのが楽しい」という声もあり、親子で取り組む、一緒に過ごす時間が増えたことを素直に喜んでいる保護者の方が多いようです。
一方で「うまくいってないこと」に、
「土日もだいたい試合があるので子供の自由時間が少ないです」「サッカーをしていない兄弟と遊ぶ時間が減る。生活がサッカー中心になってしまっている」と“サッカー漬け”になることを不安視している方もいらっしゃいました。このあたりのバランス、優先順位、メリハリなどは夏休みに入る前にぜひ、専門知識を持った方にできるだけ具体的にお聞きしたいですよね。
サッカーをがんばることで、他のことにいい影響があったというお話しもありました。
「勝負の喜び、悔しさを覚えてそのほかのことにも一生懸命になった」「大嫌いな野菜を体作りのために、がんばって食べてくれるようになった」
サッカーを通じて何を学ぶか。プレー技術だけでなく、心や日常生活でも学びや気づきがあるようにするためにはどうしたらいいか? これも大切なことです。
■「自分で考える」と放任は違う。本当にみているだけでいいの?
「やるのは子供なのに、親(私)が心の中で上を目指してしまう。言葉や態度に出ないように気を付けています」
「普段の生活から、ガミガミうるさいといざという時に聞いてくれない??と言う事は分かってるけど、今日は言わないぞと決めてもいざ子供の言動を見ると口うるさく言ってしまう」
理想は口出ししないのがいいのはわかっているけど、うちの子は黙っていたら本当に何もしない。それどころかもっと悪くなる気がする。
自主性を引出すためには、親の我慢が必要。サカイクでも何度も原稿にしてきましたが、本当に限度はないのか?叱るべきタイミングはないのか?
「自分で考えるサッカー」を実践しているクラブの指導者も口を揃えて「自主性に任せるのと放任は違います」とおっしゃいます。甘やかさないで自主性を引出す方法、線引きはどこにあるのでしょう。
子どもたちのやる気に関する問題も自分で考えることや自主性、自立と無関係ではありません。
「自分が失敗すると怒って、もーーーーっと地面に座ってしまいます。納得がいかないとハンドしたとかファールしたとか意見をぶつけ続ける」
「負けるとやる気がなくなり自分でやる気スイッチを入れられない」
そもそも子どもたちがサッカーを楽しんでいるのかわからなくなるときもありますよね。
「やる気スイッチはどこにありますか?」こんな率直な質問もいただいています。
親子のコミュニケーション、感情面とは別に、いままであまり取り上げられなかった、実質的な問題にも踏み込んでいきます。
クラブの選び方、中学生以降の進路の問題では「部活とクラブの両立、選手登録の問題」なども問題提起としてご意見をいただきました。
小学校在学中にチームを変わることについて、保護者の方のチームとの関わり方などなど、実際に問題意識をお持ちの方に追加取材をした上で、記事としてまとめていこうと考えています。
以前あるサカイクの読者の方からメールをいただいたことがあります。
「もっと早くこういうことを知っていれば」「あのときのうちの子はこういう気持ちだったのかもしれません」
サッカーをやめてしまったお子さんを持つ保護者の方からのメールでした。
それぞれにそれぞれの決断があり、サッカーをやめたからといって人生が終わってしまうわけではありません。でも、せっかく始めて、好きになって一生懸命に取り組んだサッカーを少なくとも嫌いにならずに楽しんで続けられたら、きっとそこで得られたものは一生残ります。
アンケートにご協力いただいた方、これからご意見をくださる方々に、さらなる取材協力を仰ぎ、成功例も失敗例も含めたリアルなお悩みをみんなで一緒に考えていけたらと思います。
大塚一樹(おおつか・かずき)//
育成年代から欧州サッカーまでカテゴリを問わず、サッカーを中心に取材活動を行う。雑誌、webの編集、企業サイトのコンテンツ作成など様々 な役割、仕事を経験し2012年に独立。現在はサッカー、スポーツだけでなく、多種多様な分野の執筆、企画、編集に携わっている。編著に『欧州サッカー6大リーグパーフェクト監督名鑑』、全日本女子バレーボールチームの参謀・渡辺啓太アナリストの『なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか』を構成。
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文/大塚一樹 写真/サカイク編集部・田川秀之(JA杯全農チビリンピック2013全国決勝大会より)
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