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- 少年サッカーコーチに審判 お父さんの役割の理想と現実を考える
サッカーをする子どもたちに父親ができること。世の中は「サッカーの指導はコーチに任せて、親はなるべく口出ししない」のが理想と言いますが、現実には『お父さんコーチ』として息子や娘の学年の指導に当たらなければいけない場合も。その他にも試合の時の審判や、ビデオや写真の撮影係、遠征の送り迎えなどなど、日常的に子どもと向き合うお母さんとは別な意味で大変なお父さん。
今回の連載のテーマはズバリ「お父さん」。お父さんはサッカーキッズたちにどう接してあげればいいのか? お父さんが果たすべき役割とは?それぞれの実情や悩みを明らかにしていく中で「現実論としての」お父さんがすべきことを考えていきたいと思います。
第1回の今回は「お父さんの役割」について。平日は仕事でなかなか子どもたちに関われないお父さんたちですが、子どもがサッカーに熱中すればするほど「やるべきこと」も増えていきます。
■口出し無用? そうとばかりも言っていられない少年サッカーの現状
「サッカーの技術指導はコーチに任せて」というのは理想ですが、少年団や地域の街クラブでは、お父さんがコーチ役にならざるを得ないのが現実です。
もちろんそこからサッカー指導の勉強をされて、子どもたちとサッカーをする楽しさに目覚めるお父さんもたくさんいますが「自分の子どもをひいき目で見てしまう」逆に「自分の子どもに必要以上に厳しくしてしまう」など、いざチームの指導をはじめてみると、悩みは尽きないようです。
コーチとしてではなくても、練習のサポートや引率を任されることもあります。サッカー経験者のお父さんはやはりついつい口出ししたくなりますよね。コーチにすべてを委ねるクラブと親がコーチをするチーム。どちらがいい悪いという議論とは別に、日本の小学生年代では現実に両者が混在していいます。そこを無視して絶対的な正解がないことは、まさにリアルタイムで、いま小学校の校庭や地域のグラウンドでサッカーをプレーしているお子さんを持つお父さんが一番よく知っていることでしょう。
■苦労の絶えないお父さん審判
「審判」というのも、お父さんの役割としては重要です。これもチームによっては全く依頼しないというところもありますが、「子どものために」と、若かりし頃を思い出して、昔取った杵柄とばかりに奮闘するお父さんが笛を吹くことも珍しくありません。
審判は試合を構成する重要な要素ですから、それを任されるとなると実はそれなりに勉強が必要です。サカイクでも取り上げましたが、最近行われたオフサイドルールの変更点や厳しく取るべきファウルなどは日々アップデートされていくものです。「ルールあってのサッカー」と言うことを考えれば、子どもたちにルールを教えることはお父さん審判の大切な役割のひとつです。
とはいえ、サッカー経験があっても審判経験がないお父さんがいきなり主審として笛を吹くというのはなかなか難しいものがあります。チームによっては審判資格の取得を推奨しているところもあるようですが、これはこれで大変ですよね。小学生のサッカーとは言え、肉体的にもつらいという声もあります。
■お父さんと子どものサッカー ちょうどいい関係は?
なんだか大変そうな話ばかりになってしまいましたが、基本的には「自分ができることをやる」というのが正しいスタンス。カメラが趣味のお父さんは写真撮影係、試合のビデオを撮影する係に、一生懸命応援する係、お母さんばかりに任せきりにしないで雑用をこなす係……。どのチームでもチームカラーに応じてだんだんと必要なことがわかってきて、緩やかな係のようなものが自然と構築されていくようです。
お父さんコーチにしても、お父さん審判にしても「親はなるべく口を出さない」という時流からみれば「矛盾している」と言われても仕方がない存在です。様々なサッカーの指導情報、有名選手の親御さんの成功本を読んだり聞いたりして、どう消化していいか正直戸惑っているお父さんも多いのではないでしょうか。
子どものサッカー指導にはもしかしたら「こうした方がいい」というある種の正解はあるのかもしれません。しかし、すべての子どもたちが現在置かれている環境や状況を打ち破ってまでその正解にたどり着けるとは限りません。
この連載では、少年サッカーの現場、現状からあまり離れることなく、お父さんたちのリアルな声を拾っていくことで、お父さんと子ども、そしてサッカーの関係、付き合い方について考えてみたいと思います。
大塚一樹(おおつか・かずき)//
育成年代から欧州サッカーまでカテゴリを問わず、サッカーを中心に取材活動を行う。雑誌、webの編集、企業サイトのコンテンツ作成など様々 な役割、仕事を経験し2012年に独立。現在はサッカー、スポーツだけでなく、多種多様な分野の執筆、企画、編集に携わっている。編著に『欧州サッカー6大リーグパーフェクト監督名鑑』、全日本女子バレーボールチームの参謀・渡辺啓太アナリストの『なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか』を構成。
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文/大塚一樹 写真/
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