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- 青森山田-富山第一[第94回全国高校サッカー選手権準々決勝]
前半開始から青森山田が右サイドを起点に攻勢を強めたが、堅守の富山第一は徐々に対応していく。互いに決定機をうまく演出できず、前半は0−0で折り返した。後半に入るとボールが回り始め、青森山田はそれまで中央にいたMF⑩神谷優太を左サイドへポジションチェンジ。すると後半71分、青森山田が左サイドを崩し、MF⑦高橋壱晟が今大会4得点目となるヘディングシュートをたたき込む。これが決勝弾となり、青森山田が6年ぶりにベスト4へ進出。
■4試合連続の終盤10分でのゴール!勝負強さを見せつけた青森山田が4強入り
選手権常連の実力校同士の対戦となった準々決勝。サイドを起点に主導権を握りながら攻める青森山田に対し、堅守速攻を狙う富山第一。大塚一朗監督の「プラン通りにできていた」という言葉の通り、決定機は少なく、試合は長い時間均衡が保たれた。
試合が動いたのは後半31分。右サイドから青森山田・MF⑦高橋壱晟が鋭いライナー性のパスで、左サイドのMF⑩神谷優太へサイドチェンジ。⑩神谷がタメを作ると、すかさずDF⑥北城俊幸が追い越していく。⑥北城がサイドをえぐって左足のクロス。そこへ猛然と走りこんだ⑦高橋が豪快にヘディングシュートをたたき込んだ。
この瞬間まで青森山田は我慢の時間帯が続いていた。「多少蹴り合いになってもリスクを犯さず、後ろ5枚を残してカウンター対策をさせた」と、黒田剛監督は富山第一の2トップの鋭いカウンターを最大限に警戒。サイドバックの攻撃参加を極力抑えるように指示していた。そんな中、⑥北城は「スイッチを入れる瞬間をしたたかに狙っていた」と、虎視眈々とそのときを待っていた。
そしてその瞬間が訪れる。「ここで取らないと流れが変わって点を取られかねなかった。⑦高橋から⑩神谷にパスが来た瞬間、チャンスだと思った」(青森山田・⑥北城)。神谷にパスが通った瞬間、⑥北城は思い切りスタートを切った。
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取材・文 篠幸彦
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