- サカイク
- サッカー練習メニュー
- 「間を締めて、サイドに追いやる」。クラブ創設4年目で全国区に成長した、FC ZEROが取り組む、守備の原則を身につけるためのトレーニング
サッカー練習メニュー
「間を締めて、サイドに追いやる」。クラブ創設4年目で全国区に成長した、FC ZEROが取り組む、守備の原則を身につけるためのトレーニング
公開:2024年11月 5日
サッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、強豪チームや豊富な実績を持つ指導者によるトレーニング動画や、指導していく中で必見な理論や情報を配信中だ。
前回より、大阪の強豪クラブFC ZEROの中島優監督による「失点リスクを減らすためのつながりを意識した、組織的守備トレーニング」の動画を紹介している。
FC ZEROは2021年に発足した新しいクラブだが、2024年にフジパンカップ関西優勝、チビリンピック全国大会3位、U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジでベスト8と、輝かしい成績を残している。
COACH UNITED ACADEMY動画後編では「5対2」「6対6+サーバー」と、実践に近い形式でのトレーニングを通じて、「組織的守備」の考え方をチームに植え付けていく。(文・鈴木智之)
闇雲にプレッシャーをかけないことが大事
COACH UNITED ACADEMY動画後編のテーマは「チーム全体での組織的守備」。この意識を高めるために「5対2」を実施した。
設定としては、7m×7mのグリッドで行い、4つの辺にサーバーを配置。グリッド内は攻撃1対守備2の図式になる。攻撃はアンダー2タッチで、パスはグラウンダーのみというルールだ。
守備側が一度ボールに触れば、カウント0から再スタートし、制限時間1分以内に、攻撃側がパス20本繋げば勝ちとなる。
トレーニングはCOACH UNITED ACADEMY動画前編で紹介したものからの発展型だ。そのため、コーチングもそれに準じて行っていく。
中島監督が守備側に対して強調したのは「守備2人の間に、ボールを1発でトップ(対面の選手)に入れさせないこと」。中ではなく外にボールを動かすように仕向け、外に追い込んで奪うことを意識付けしていった。
また守備側の選手が、外側のパスを連続で回される状況に対して「プレッシャーが間に合わないと思ったら闇雲にいかないように。一回、陣形を立て直してプレッシャーをかけよう」とアドバイス。
「プレッシャーをかけるのか、かけないのか、右なのか左なのかを明確にしよう」「ディフェンスは全部のボールに行かなくていいんだよ」といった声かけで、いつ行くのかという認知・判断にアプローチしていった。
基本的には守るのは中
最後は「6対6+サーバー」。グリッドは縦20m××横15m。1セット3分で行い、フォーメーションは2-3-1で実施。サーバーの移動はライン上で、パスはグラウンダーのみというルールだ。
目的としては、攻撃側は相手陣地への侵入を目指し、守備側はそれを妨害する。攻撃はパスを10本つなぐと1点。逆サイドへのサーバーへ、グラウンダーでパスを繋ぐことができれば2点となる。
中島監督は以下のように説明し、トレーニングが始まった。
「攻撃側は反対のコートに侵入すること。ディフェンスはボールを奪うというよりも侵入させないことを意識しよう。さっきの2対2のように、奪えると思ったら自分のマークを捨てても構わない。ただし基本的には守るのは中」
さらにトレーニングを観ながら、守備側に「間を締めながら」「無理にプレッシャーをかけないように」と声をかける。
攻撃側には「(守備の)間を通して」「サーバーから直にトップへパスを刺してもいい」と声をかけ、ゴール方向への意識を高めていく。
「この狭いコートは、大きいコートを縮小しているだけだから、考え方は同じ。守備は縦パスをシャットアウトすること。トップへの縦パスは絶対入れさせちゃダメ。とにかくサイドに追い込もう」
ビルドアップしてくる相手に対する対応策
トレーニングの中盤以降は2つのエリアで3対3を作り、片方のエリアにボールがあるときは、DFは2人になるように1人はエリアを移動する。(攻撃3対守備2の形)
ここでも認知・判断に目を向け「今のエリアは、ボールを奪いに行くところなのか、ゴールを守るところなのか、早く判断しないといけない」とアドバイス。
また「数的不利では時間を稼ぐこと。今、自分はどこにいて、どこが怖いのか、数的有利なのか、不利なのか、早く判断しよう」と声をかけるとともに、デモンストレーションを交えて説明している。的確なコーチングの様子はぜひ「COACH UNITED ACADEMY」にて動画を確認してほしい。
以上でトレーニングは終了。中島監督は「今回紹介したトレーニングは、ディフェンスラインからビルドアップしてくる相手に対する対応策として、スキルアップの狙いがあります 今回のトレーニングで原則を学び、チームとして共有することでピンチの回数を減らし 、失点のリスクを軽減することができます」と話した。
今回の動画では、トレーニングの質の高さに加えて、全国レベルのチームのテクニックや判断といった、細部まで注目して観ることで、たくさんの気づきを得ることができるだろう。
【講師】中島優/
国見中学、国見高校でプレーし、全国大会に出場。2021年8月に『FC ZERO』を発足し、2024年にフジパンCUP関西大会優勝、チビリンピック全国大会3位、ワールドチャレンジベスト8という成果を上げた。少数精鋭のチーム作りを行い、選手一人ひとりに目が行き届く丁寧な指導を実践している。JFA公認C級ライセンス保持。
募集中サカイクイベント
サッカー練習メニューコンテンツ一覧へ(566件)
コメント
- サカイク
- サッカー練習メニュー
- 「間を締めて、サイドに追いやる」。クラブ創設4年目で全国区に成長した、FC ZEROが取り組む、守備の原則を身につけるためのトレーニング