サッカー豆知識
【第2回】「知ってます?世界のサッカー常識」- 世界のトレーニング事情
公開:2010年12月 6日 更新:2013年8月14日
■柔道、ダンスに山登り。強豪クラブの意外なトレーニングメニュー
このコーナーでは毎回、知っていそうでいなかった世界のサッカー事情について、ランダムにとりあげます。世界各国で様々に楽しまれているサッカーというスポーツの奥深さを感じるような話題、子どもとの会話のネタになるような話題を数多くセレクトしていく予定です。
第二回目は世界の強豪サッカーチームが試行する様々なトレーニングについて。あらゆる方法で選手を強化しようとする試行錯誤は世界各国で日夜繰り広げられているのです。
まずは、オランダの古豪、アヤックスのケース。欧州でも屈指の育成組織を保持し、過去から現在まで、数多くの名選手を輩出してきたオランダのトップクラブ。12~16歳の時期には体幹を鍛えることに特に力を注ぐというこのクラブでは、かつて「柔道」が正式なトレーニング項目として採用されていました。
あるフィジカルトレーナーは「体幹の強化に最も効果的なのは柔道だ」と語り、この日本のスポーツを重用していたそうです。間接や筋肉を駆使する柔道は、確かにフィジカル強化に効果があるでしょう。
次に紹介するのはフランスのクラブ、ル・マン。かつて松井大輔選手が在籍したことでも知られるこのクラブではコーディネーション能力アップのためになんとダンスの講師を招いてトレーニングしていたことがあったとか。「コーディネーション能力」とは、周囲の状況を目や耳で感知し、頭で判断、そして筋肉を動かすという一連の動作を指しますが、こう考えると確かにダンスはサッカーに役立つのかも、と思わされます。
さらにユニークなのはかつてのフランス代表。98年のワールドカップ直前にはなんと、3600m級のアルプス登山を選手に課したとか。心配機能の強化のためとは言うものの、過酷なうえに危険も伴う、かなりユニークな強化方法です。
そして最後は日本のコンサドーレ札幌。ランニングの方法にひと味加えるために、ピッチ周囲をグルグルまわるのではなく、どこをどう走っても良いというルールにしたそうです。ピッチの周囲をまわるだけでは景色も同じでモチベーションもなかなか上がりません。そこで、グラウンドからそう遠く離れなければ、どこをどう走っても良いという方法にしたそうです。走る距離は同じで、マイナス面はなし。この方法はもっと注目されてもいいかもしれません。
同じ「鍛える」のでも、ちょっとした工夫で気分も変わり、能率があがることもあります。もし、親御さんが練習内容を決めている場合は、こうした「少しの工夫」を取り入れてみてはどうでしょうか。