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低年齢から「どうやって相手を崩すか」を理解でき、少人数でも取り入れやすい ドイツサッカー協会推奨の「フニーニョ」とは

公開:2023年11月 6日

キーワード:アルファゴールグラスルーツシュート意識ドイツフニーニョミニゴール数的優位育成

サッカー大国として知られるドイツ。ワールドカップ優勝4回、ブンデスリーガも隆盛を誇っています。最近の対戦では日本代表が2勝していますが、歴史と実績のあるドイツサッカーから学び、参考にできることはたくさんあります。

2023年8月、サカイクキャンプ、シンキングサッカースクールでチーフコーチを務める菊池健太コーチが、ドイツのグラスルーツ年代を視察に行ってきました。

ドイツでは子どもたちのサッカーに「フニーニョ」が導入されていますが、その有効性について、菊池コーチに話をうかがいました。
(取材・文 鈴木智之)

 

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フニーニョをする子どもたちとピッチのそばで見守る保護者達

 

<<視察レポート②:「子どもの試合はワールドカップではない」各地のグラウンドに設置されたドイツサッカー界で有名な標語の意味

 

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■ドイツサッカー協会主導で導入している「フニーニョ」とは

ドイツの育成年代で導入されている「フニーニョ」。英語のFun(楽しむ)とスペイン語の「子ども」(Niño)をあわせた言葉で、「3対3の4ゴールゲーム」を指します。

菊池コーチによると、「ドイツは協会主導でフニーニョが導入されている」そうで、各クラブには、フニーニョ用のミニゴールが常備されているようです。

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赤い丸で囲ったミニゴールを使ってフニーニョを行う

 

「コートはフルピッチを4分割して作るので、大人用のグラウンドで4面作ることができます。3対3なのでボールに関わる回数、シュートの場面も多いです。ゴールが2つあるので、コーチが指示しなくても『人が少ない、空いている方へ行こう』と考えることができるのも、フニーニョの良いところです」

 

フニーニョ関連記事:サッカー強国ドイツが導入を決めた3vs3のミニゲーム「フニーニョ」とは

 

■U-6でも結果は協会のホームページに掲載、更新しないと罰金も

菊池コーチが視察したのはU-6の試合で、フニーニョの結果は協会のホームページに掲載されるそうです。

「ホームページにスコアまでは載せないそうですが、コーチが投稿して更新しないと、罰金があるそうです。それも厳格なドイツらしいですよね」

 

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■原則的にはロングシュートは禁止

フニーニョでは「シュートゾーン」が設けられていて、ロングシュートは原則なしになっていますが「試合によってはアレンジしていて、ロングシュートを打っている子もいました」とのこと。

「ロングシュートが決まったら、コーチも『ナイスゴール!』と褒めていて、そのあたりの運用は柔軟にしている印象を受けました」

 

■2対1を作りやすく、局面を打開する練習になる

コートは25m~30mのサイズで、菊池コーチは「パスやドリブルが無理なくできる、絶妙なサイズ感」と評していました。

「1チーム3人なので、ボールを持っている人に対して、他の2人がサポートする形が自然とできます。基礎である三角形も作りやすいですし、相手にマンツーマンでつかれたときに、どこかで2対1を作ることで、局面を打開する練習になります

 

■サカイクキャンプやシンキングサッカースクールでも変則的なフニーニョを導入

菊池コーチがメインコーチを務める、サカイクキャンプやシンキングサッカースクールでは、変則的なフニーニョを導入しているそうで「コーンを3つ立てて3ゴールにしてて、真ん中のコーンに当てたら2点というルールでやっています。ゲーム形式なので、子どもたちも楽しそうにやるんですよね」と笑顔を見せます。

 

■人数の少ないチームでも簡単に取り入れやすいトレーニングといえる

昨今の少年団には、所属選手の人数が少ないクラブもありますが、フニーニョであれば6人からできるトレーニングなので、導入しやすいのもメリットです。

「ドイツでは小さなゴールを使っていましたが、ゴールがなければコーンでもいいと思います。学校の校庭の限られたスペースやフットサルコートでもできるので、取り入れやすい練習だと思います」

 

■スペースや味方を見つけやすい、指導者にとっては褒めるポイントが増えるのも良いところ

菊池コーチはフニーニョについて「シュートチャンスが多いので、指導者からすると、褒めるポイントが増えるのも良いところ」と話します。

「ナイスシュート! ナイスチャレンジ! と声をかけやすいので、子どもたちのモチベーションアップにもつながります。ゴールが2つなので、シュートチャンスが多く、ゴールを決める喜びを感じやすいのもいいですよね」

低学年の場合、上手な子がドリブルで突き進み、シュートを打つ場面がよくありますが、フニーニョはゴールが2つあるので、スペースや味方が見つけやすいのもポイントのひとつ。

「ドリブルで相手を引き付けておいて、空いているスペースにいる選手にパスを出すとか、『なんのためのドリブルなのか』を、考えなくても自然とできるような設定です」

 

■低年齢から「どうやって相手を崩すか」を理解できる

ドイツでU-6のフニーニョを視察した菊池コーチ。印象的だったのが「みんなが楽しんでいたこと」と語ります。

「日本の場合、ボールを持ったら離さずに、1人でゴリゴリ行くような子もいるのですが、そのような子はほとんどいませんでした。もちろんチャンスにはドリブルで仕掛けますが、ただドリブルしていくような選手は少ないように見えました。どうやって相手を崩していくかを、この年代から考えてやっているんだなという印象です」

ルールや設定によって、低学年で身につけておきたいサッカーの原理原則を体感できるフニーニョ。

ミニゴールがなければコーンでも代用できるので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか? きっと新たな発見や気づきが得られることでしょう!

 

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取材・文 鈴木智之

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