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あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

プレーするとき腰の位置が高い。膝が固くてクッションが効かずボールコントロールができない子におすすめの練習法はある?

公開:2025年3月21日 更新:2025年3月28日

キーワード:クッションコントロールボールコントロール三笘薫腰が高い膝が固い

サッカーのプレーをするとき腰の位置が高い選手。膝が固いのが原因のようで、ボールコントロールが上手くない。

膝を柔らかく使うことを意識させようとしているが、なかなかうまく行かず......。練習の中に柔軟とか取り入れるべき? というご相談をいただきました。

今回も、ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上のあらゆる年代の子どもたちを指導してきた池上正さんが、膝を柔らかく使ったボールコントロールが身につくメニューを紹介します。
(取材・文 島沢優子)

 

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(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません

 

<<止める、蹴るの上位スキル、上手い子たちがやっている「動きながら受けて、パス」を身に着けるにはどんな練習をしたらいい?

 

<お父さんコーチからの質問>

はじめまして。こんにちは。

街クラブで指導をしているものです。(指導年代:U-12)

一部の選手の話で恐縮なのですが、プレーをする際、腰が高い(膝が固い)ため、ボールをうまくコントロールできない選手がいます。

練習で意識させようとコーチングをしますが、なかなか改善されません。

柔軟などのメニューを取り入れるべきなのでしょうか。

有効的な練習方法(コーチング方法)を教えてください。

 

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<池上さんからのアドバイス>

ご相談ありがとうございます。

最近の子どもたちの体型は我々世代とは明らかに変わってきています。子どもにもよりますが、足が長いです。よって、腰が高く見えてしまうとも言えます。

ほかには、動きの要領がつかめない子も多そうです。

 

■衝撃を吸収するための「クッションコントロール」をやってみよう

例えば、手を使ってキャッチボールするとき、ボールを受けるためにキャッチの瞬間手を少し引きますね。手にあたる衝撃を吸収するための自然な動作です。

それと同じように、サッカーでも足にボールが当たる瞬間に少し力を抜くというか、衝撃を吸収するようにしてコントロールします。指導者の間で「クッションコントロール」と呼ばれる技術です。

このクッションコントロール、つまりボールを足下で止める練習をさせてください。対面パスをします。その際、例えばコーチが相手をしてあげて、少し強めにボールを蹴ってあげてください。それを足元にきっちり止める練習をします。短い時間でOKです。

単に対面パスをするだけでなく、来たボールをコントロールして足で触りながら、180度ターンするトレーニングもいいと思います。前から来たボールをコントロールしながら後ろを向く感じです。

ボールをインサイドに当てて、足を引くとターンできます。ボールがどこかに行ってしまわないよう、インサイドに当てたままボールの速度を落としながらターンしていくイメージです。それをインサイドでも、アウトサイドでもやります。

そんなにたくさん行う必要はありません。感覚的なものを養えればいい。アップの時などにやって、試合中にやってごらんと意識させます。サッカーがそれなりにできる人たちは、そのまま遠心力を使ってインサイドに当てたまま360度回ることができます。遊びの中でやってもいいでしょう。

また、止めるとき、ボールの半分よりやや上のほうに足を当てるとボールが止まりやすくなります。以前は「ボールの中心に足を当てなさい」と指導していましたが、ボールの真ん中に足を当てると跳ね返ってしまいます。

これは風間八宏さんもそうおっしゃっているようです。私もやってみましたが、確かにその理屈で止めるとうまくいきます。

 

■ボールを足の裏で止める動きもおすすめ

ほかにもボールを足の裏で止めることをやってみましょう。フットサルをするときのボールコントロールをイメージしてもらいます。その際、上からボールを押さえるのではなく、グラウンド(地面)と自分の足が三角形になるようなイメージです。

そうすればボールがうまく止まります。正確に自分の足元にしっかり止められるよう練習してみましょう。

体が硬い、膝が硬いからではないかと書かれていますが、それらとボールコントロールのスキルはあまり関連性はありません。恐らく柔軟体操が効果的に働くことはないでしょう。

とはいえ、人間の骨格の話で言うと、10歳くらいから徐々にではありますが老化が始るといわれています。

日頃から体を使って動いて、遊んでいればすぐには硬くならないのですが、放課後や学校が休みの日にずっとゲームをしている、寝転んでいることが多いといった場合は、意識して体をほぐしたり動かしたりしてほしいものです。

特に関節の可動域を広げるような遊びが求められます。昔なら、木登りや、河原で石を大きくまたいで歩くなど自然の中で遊べば体をうまい具合に使える環境だったのですが、現代の日本では難しくなっています。大人の工夫が必要です。

 

■腰を低くしろ、とは言わないで 実は海外の選手もみんな腰が高い

すでにおわかりかと思いますが、子どもに腰を低くしろという指示はしないでください。

よく見ると、海外の選手たちはみんな腰が高いです。足が長いからだけでなく、実はそのほが瞬発力を発揮できる。スピードが出るからです。トップスピードに乗るためには、腰は落としすぎるとなかなか乗れません。陸上の短距離選手は腰を落としたまま走ってはいませんね。

その点でいうと、欧州や南米のサッカー選手は走る姿が陸上選手みたいです。日本の選手にはそのような印象はあまりないのではないでしょうか。あるとすれば三笘薫選手などが挙げられますが、なぜ違いがあるのでしょうか。

実は一流クラブでは、ランニングコーチが選手のランニングフォームを整えてパフォーマンスをアップさせています。それをアンダーカテゴリーからやっています。一方の日本はそこが手薄です。ランニングフォームへの意識が高くありません。

私が知っているのは、ジェフ千葉に在籍していたときのこと。祖母井秀隆さんがある時期、オランダからランニングコーチを毎年呼んで選手たちに指導してもらっていました。当時からオランダのアヤックスは、7歳からトップまですべてのカテゴリーをひとりのランニングコーチが指導していましたと記憶しています。

 

体幹の弱い子にも効果的なトレーニング

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コーチからの【チーム指導の悩み】に池上正さんがお答えします(例:年代がバラバラなチームの練習メニューなど)※記事になります
※質問の文言を記事にさせていただくことがあります。その際はプライバシーには配慮します。
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構成・文 島沢優子

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