考える力
書くことで「直感ではなく考えてプレーできるようになった」センアーノ神戸4年生のサッカーノート活用法
公開:2023年11月14日
兵庫県神戸市の強豪街クラブ、センアーノ神戸は2022年春、使用するサッカーノートを市販のノートからサカイクサッカーノートに切り替え、サッカー面だけでなく生活面でも選手と指導者間のコミュニケーションの円滑化に成功しています。
これまで使用開始後1カ月、半年という2回お話を伺ってきましたが、1年経過したタイミングで、さらにどんな変化や成長が感じられたかを6年生の選手たちと担当コーチにお聞きしました。
(取材・文:貞永晃二 写真:浅尾心祐)
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■最初は難しかったけど、慣れると簡単に書けるようになった
川﨑真くん(かわさき しん・4年生)
―――サッカーノートを使うのはサカイクノートが初めてですか?
1年生でセンアーノに入ってから普通のノートを使っていました。サカイクノートは3年生の初めぐらいからです。最初はちょっと分からなかったけど、今は簡単に書けます。難しかったのは(叶えたいことに近づくために今日できることを書く欄の)オンザピッチ、オフザピッチのところが難しかったです。でも今はもう慣れて15分くらいで書けます。
―――最初に目標を書くところには、例えばどんなものを書きましたか?
相手に抜かれた時に食らいつくとか、声を出すとか、です。そのためにどんな工夫をするかも思い浮かぶので書きやすいです。
――今のサッカーノートを書いてみて良かったなと感じる点は?
僕は試合前と試合後にサカイクノートを書いていて、試合前には例えば守備は最後まで粘るなどの目標を立て、その目標を達成するにはどうしたら良いかを書いています。試合にはその目標を意識して臨んでいます。試合後は目標を達成できたかどうかを書き、できなかったらなぜできなかったか振り返っています。
どうすれば良くなるかを書いておいたら、うまくいったところが、次の試合のときに活かせます。
――抜かれても食らいつくという目標を立てた時はどうでしたか?
食らいつくのは結構できました。工夫は相手に抜かれてもすぐ追いかけると書きました。
――ノートに書かれたコーチのコメントを読んでどんな感想を持ちましたか?
コーチや監督から、怖がらずにプレーする、ミスしたら嫌やなと思いながらじゃなくて、ミスを怖がらずにプレーするようにというアドバイスをもらって、次はそうしてみようと思いました。サッカーノートを書くことは僕のサッカーの成長に役立っています。
――試合後の自己採点はどんなつけ方ですか?
目標は高いので、採点は厳しめにつけて、もっと上手くなろうと思っています。
▼センアーノ神戸 選手達のコメントはこちら!
■書くことで直感ではなく考えてプレーできるようになった
木村孝太くん(きむら こうた・4年生)
―――サカイクサッカーノートを書き始めたのは?
去年の冬ぐらい3年生の冬です。最初ちょっとつまずくところがあったけど、普通に書けました。10分くらいで書いています。難しかったのは「もっと探求したいこと」です。
―――サカイクノートを書き続けてきて、よかったなと感じる点はありますか?
「どのプレーが記憶に残っていますか?」という項目で、自分の記憶の中以外のプレーとかも、思い出すことが勉強になるので、いいところだと思います。
―――目標ができるようになったとか、こういう部分が改善できたっていうことで、思い出せるようなことありますか?
周りを見て、状況を確認するというのを目標にしました。前はなかなか見れなかった。でも、今は、前よりも意識して見れるようになっています。
―――ノートが返ってきてコーチのコメントを読んで何か感じましたか?
僕ができていることやできていないことをはっきり書いてくれてるから、そのことを次回の試合とか練習に活かそうと思って読んでいます。覚えているのは、怖がらずにプレーをするとか、もっと勇気を持ってプレーしようって書いてありました。相手が来てパスコースとかシュートコースが消されてボールを奪われることを恐れずにパスを出そうということです。
―――サカイクノートを書いてきて、見直したときどう感じましたか?
たまに見直します。書き始めた頃はプレーも直感でやってたけど、今はしっかり考えるようになって、サッカーでも考えてプレーできています。
■ノートに書いた目標を試合で実践できた。前よりクロスや縦パスが上手くなったと実感
荒木皇俄くん(あらき おうが・4年生)
―――サカイクノートはいつから使い始めましたか?
去年の7月ぐらいです。サッカーノートは初めてでしたが、簡単でした。でもどうすればうまくいくかの「工夫」のところは難しかった。でも今は慣れました。15分くらいで書いています。
―――サッカーノートに目標を書いて、試合でできたと思い出せることがありますか?
最近では、縦パスを(タッチラインを出ないように)カーブさせて出すという目標です。右サイドバックで、普通に縦に出すとインターセプトされるけど、曲げたら相手の届かないところへ出せて、最後は足元に届くからです。
―――ノートが返ってきてコメントを読んで、感じたことを教えてください。
適当に出すパスは良くないと書かれていました。あと、逆サイドのスペースへ出したロングボールが良かったと書かれたのは全然気づかなかったことでした。
―――書き始めて1年ぐらい経って、自分は変わったなと思いますか?
最初の頃よりはクロスとか縦パスとか上手くできていると思います。
■ノートに書いたことを試合中のプレーに活かせるようになった
取材場所に同席した他の選手たちも答えてくれましたので、その声を紹介します。
―――サカイクノートを使ってから、良くなったと思うことは?
・サカイクサッカーノートを使ってから、目標がはっきりした。
・サカイクノートを使って、うまくいかなかったところとかを読み返して、次はうまくいかなかったところを意識しようとするようになった。
・サカイクノートを書き始めてから、試合が終わった後に書いて、その次の日にまた振り返って、次の試合に活かせるようになった。
・目標は一番最初に書くから頭に残って、試合中にも思い出して次のプレーに活かせるようになった。
■ノートを通じて個人個人に課題や改善方法をアドバイスできる
サカイクサッカーノートを使う姿を間近で見ているコーチたちも、変化を感じています。
4年生担当の高橋和久(たかはし かずひさ)コーチに、約1年ノートを使ってみての選手の変化、成長などを伺いました。
―――サカイクノートを1年使ってみてどんな変化、成長がありましたか?
この学年を見始めたのは4月からなのですが、最初から「課題にちゃんと向き合いなさい」と話はしています。試合中や練習中にも課題、アドバイスなどを伝えるんですけど、それ以外のところとか、試合が始まったらずっと全員に個別のアドバイスを伝え続けるわけにいかないので。
個々に対してはサカイクサッカーノートを通じて課題を伝えてあげて、改善の方法も伝えられるので、プレーがかなり大きく変わる子が増えてきたかなと思います。
使用開始から1年以上経過して、選手もコーチも確実に成長を感じているようです。何となく頭の中で考えるだけでは、試合や練習に夢中になると忘れてしまうこともノートに書いておけば、目標も課題も明確になるのでどうしたらできたのか、どうしてできなかったのかを振り返り考えることも習慣になっているよう。
目標を立て、振り返りを行うことで課題が明確になり、サッカーの成長にも寄与しているサッカーノートの活用法を、みなさんのチームでも参考にしてみてください。
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